あぁ・・・うちな
「そうなんや。俺んちもうすぐ着くねんけど、そっからは一人で帰れるか?」
『全然大丈夫。カヨワクないし。』
わざとカヨワクにしてみたら「それ意味ある?」って言われた。
勝利がさっき片言でしゃべったんやで?
せやからこっちも反撃やろ。
「ま、カヨワクないならえぇか。お、あれ先生ちゃう?」
先生ちゃう?って言われても、うちわからへんって。
そう思って勝利が指差した方を見た。
そこにいたのは、私服姿の神野先生。
え、ちょっと待って!?
急いでケータイに打ち込むうち。
『なんで勝利が神野先生を知ってるん!?』
「は?だって、俺らの学校の教師やし。当たり前に知ってるやろ?野球部の顧問になった先生やろ。」
『俺ら!?』
今、俺らって言うたってことは、もしかして!
もしかしなくても、そうやんね。
「実奈子知らへんのか!?あ、そっか。俺いつも私服やもんな。」
隣で勝手に解釈してる勝利を見ながら心底呆れた。
「悪い、俺図書館行く前に毎回着替えて行くねん。制服着て行きたなくて。」
『なんでよ。そっちの方がめんどくさいやろ。』
「いや、制服が俺にあわへんねん。」
そうやろか。
うちの学校の制服て、わりと良い方やと思うねんけどな。
勝利も、あわへんことないと思うねんけど。