あぁ・・・うちな
その瞬間、うちの目から涙が零れ落ちた。
「秋野。これは、先生として言ってるってことをわかってくれ。」
涙が次々に落ちていく。
それでも、先生は言葉をつづけた。
「俺は、真里亜のことが世界で一番好きだ。でも、秋野のことは生徒として大好きだ。」
その言葉は、先生がうちにくれた最高のプレゼントやった。
「これからも、もっと俺に頼ってくれていい。担任として何でも話は聞くし、できる限りのことはサポートしていく。」
うちの目を見て優しく言うてくれる先生が、メチャクチャかっこよかった。
いや、先生はいつでもかっこよかった。
今までずっと見てきてて、それはわかりきってたこと。
でも、今の先生が今までで一番かっこいいと思えた。
「これからも、よろしくな?あ、俺のこと嫌いになった?」
涙で視界がゆがむ中、うちは紙に返事を書く。
『まさか、嫌いになんかならへんませんよ』
「おいおい、ちゃんと見て書かないととんでもないこと書いてるぞ?」
だってな、先生。
紙が見えへんのやもん。
頭もちゃんとわかってへんのやもん。
許してや。
「ありがとうな。秋野。」
うちの目から流れる涙は、いつからか嬉し涙へと変わってた。
なんでやろう。
ホントは悲しくて、辛くて仕方ないはずやのに。