あぁ・・・うちな
でも、なんでかわからへんけど、嬉し涙が止まらへんかった。
「さてと。この辺で進路の話でもしておくか?」
きっとこれも先生の優しさからの言葉。
うちのことを気遣ってくれて、優しい言葉をくれる先生。
『いえ、今日はもう帰ります。』
「そうか。じゃぁ、その顔をあいつに見せないように洗ってから帰るんだぞ?」
あいつ?て、もしかして先生にはわかってるんかな。
この後、うちがあの場所へ行くこと。
「俺も仕事して帰ろうか。」
窓の外を見ながら誰かを見つめているような眼差しで、呟く先生。
そんな先生の肩を叩いて紙を渡す。
「お、行くか。」
コクンと頷いて、軽くお辞儀をする。
「じゃぁ、また明日な。」
そして、うちはその部屋から出た。
それから向かう、あの場所へ。
どんな顔して会ったらえぇのか、正直わからへん。
でも、昨日あのまま帰ってもうた勝利のことが気になる。
どうしてこんなにも、うちは勝利のことが気になるんやろう。
ただの、友達のはずやのに。
数分後、図書館に着いたうちはそっとその扉を開けた。
図書館の中は相変わらず心地いい空間のままやった。
勝利、今日も来てるかな・・・。
来てる、よね?