あぁ・・・うちな
うそ、やって。
こんなん、うそに決まってるやろ。
幸太が、死んでまうなんてそんなことありえへん。
なに、ふざけたこと言うてんの?
『秋野さん!秋野幸太さん!』
病院の先生が幸太の名前を呼ぶ。
それでも、幸太は目を開けない。
『幸太、先生が呼んでるんやで?返事してや?』
『秋野さん!』
『ほら、幸太ってば』
うるさい、って言うて目ぇ開けなあかんやん。
何してんの。
早ぉ、早ぉ目開けてぇや!
パサッ―――
勢いよく目を覚ました。
時計を見ると朝の五時。
そとはうっすらと明るくなってきてた。
自分の体は汗でビッショリやった。
もう一度ベッドに横になる。
最近はずっとこの夢ばっかり見てる。
いっつも決まってここで終わる。
あの時のことを毎晩毎晩思い出させる。
幸太、もう許してや。
うちが悪かったから、もう苦しめんといてや・・・。