あぁ・・・うちな
次の日、図書館へ向かった。
今日からは家で勉強しようて思ってたのに、どうしても向かってもうた。
もう週間づいてきてる。
図書館に入っていつもの席へ向かう。
でも、今日はその席どころか全部の席が埋まってた。
あの時みたいや。
帰ろうて思て、後ろを振り向いたとき「ここ使い」って声をかけられた。
そこにいたんは、もちろん勝利。
昨日とは違って、優しげな表情の勝利がいてた。
でも、うちは帰りたかった。
また何か言われて傷つきたくないから。
昨日、帰った後、涙が止まらへんかった。
うちはその時気づいた。
今まできっと、心のどこかで思ってた気持ちが涙と共にあふれ出た。
だからこそ、今は勝利の近くに行きたくない。
せめて、自分のこの気持ちが無くなってから話したかった。
「あのさ」
その言葉が聞こえて、うちは頭を下げて勝利の前を過ぎる。
けど、すぐに腕を掴まれて逃げられへんくなった。
放してほしくて足掻いてみても、勝利は放してくれへんかった。
こんなとき、声がでたらすぐに言えるのに・・・。
「待てって。ここ図書館やから、騒がしゅうせんと!」
ハッ、と気が着くと、周りの人がうちと勝利を見てた。
その光景はメチャクチャ恥ずかしいものやった。