あぁ・・・うちな

頑張って平常心を装う。


「また一緒に図書館で勉強しようや。俺と・・・これからも友達でおってや!」



これからも、友達・・・。


その言葉はさっきの胸のズキズキとは違ったズキズキを起こした。



な?せやから言うたやろ?


勝利はうちのことをそういう目で見てへんねん。



うちなんか、相手にされへんねんって。


「実奈子?」


うちが黙ってもうたんを心配してか、勝利がうちの顔を覗く。


慌ててケータイに文字を打ち込む。




『もちろん!これからも、よろしゅうね!』



精いっぱいの強がり。


精いっぱいの言葉がそこにはあった。



『これからも、よろしゅうね』に込められたうちのこの気持ち。


勝利、ホンマはな。



うち、ずっと友達でおりたいて思ってへん自分がいてる。


でもわかってるから言わへん。



そんなこと無理やん。


なんで無理なんて聞かれたら、答えられへん。



でも、そんな気がすんねん。


勝利がうちに抱く気持ちは「友達」なんやろ?


友達以上になれるわけないやん・・・。




「よっしゃ。ほな、また明日な!図書館で会おうな!」

うちまで送ってもろて、あいさつを交わすうちら。


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