あぁ・・・うちな
フゥー・・・
大きなため息を天井に向けて吐く。
部屋の中は薄暗い。
唯一カーテンから差し込む太陽の光がこの部屋を照らしてくれてるだけ。
そんな中で、うちはあの日のことを思い返す。
毎晩だけやなく、朝も決まってこの調子。
もう、三年間も同じことの繰り返し。
三年前、うちの兄貴である秋野幸太が他界した。
原因は金属製の棒で殴られたための頭部陥没。
かろうじてでも生きてたことが奇跡に近かったらしい。
でも、結局死んでもうた。
いや、うちが殺してもうたんや。
うちが、あんな所におれへんかったらよかったんや。
うちが、あんな腐った人間やなかったらよかったんや。
うちが、うちが幸太を殺したんや。
毎日後悔する日々。
幸太を殺してもうたことはもちろん、それ以前に・・・「ごめん」の一言が言えへんかったことも後悔の一つ。
あの時、ごめんって言うてたら幸太は、うちのことを少しでも許してくれたんやろか。
いや、きっと許してくれへんか。
こんな妹やもんな。
でもな、幸太。
うち、メッチャ後悔してることはそこからでも分かってくれるか・・・?
天井に向けて手を伸ばす。
何も掴めへんけど、何度も天井へ向けては何かを掴もうとする。
うちは、何を求めてるんやろ。
何を、掴みたいんやろ。