あぁ・・・うちな
ホンマは完全に看護の道に進むて決めたわけやなかったけど、気になってるんは確かやったから。
勝利に教えてもらえるなら、少しは頭に入りそうや。
なにせ、この書物様たち、難しすぎて何回同じ所やってもこんがらがってまうねん。
上手くノートにまとめようて思っててもそれも難しい。
頑張ってここまで来たけど、て言いたいけど実際ノート五ページ分くらいやし。
勝利が見せてくれたノートは、うちのものとは比べ物にならへんくらいきれいにまとめられてた。
「ここにまとめてある分は、この図書館の医療系書物全部が詰まってるから。これみて写してもえぇで。」
いやいや、もう写すことしか頭にないねんけど。
ということでうちは勝利のノートを一生懸命写した。
けどさすがに今日の時間で全部写すことはできへん。
うちは二ページ分を写して、読んでみることにした。
ところどころわからへんところは勝利に質問。
そのたびに勝利は優しく教えてくれた。
「これくらいわかれや」て、たまに貶されながら。
でも、教えてもろてる身やから文句は言われへん。
きっと、うちが声を出せてたらメッチャ言うてると思うけど。
そんなこんなで、勝利と勉強をする日々が続いていった。
それから、うちの心の中でもあることが決まっていった。
それは、うちは大学に進んで看護師になるていうこと。
勝利と一緒に。
このことは勝利はまだ知らへん。
今はそれでいい。
いつか、言える時が来たら、言おう。