あぁ・・・うちな
今勝利がどんな気持ちでいてるんか、見えたらえぇのに。
て、うちが謝ったらえぇんかな?
もとはと言えばうちがあんなこと書いたからこうなったんやし。
でも、今更言いづらい。
さっきのあの時間から十五分以上が経とうとしてた。
しかもうちが家に帰らなあかん時間まで、あと三十分。
このままこの空気で帰りたない、な・・・。
その時、隣からスッとノートが寄せられた。
それは勝利のノート。
うちはそのノートを見た。
そこに書かれていた文字を、うちは何度も何度も見直した。
『俺の気持ち』
実奈子のことが好きや―――
そこに書かれてる言葉が間違ってないか、何度も読み直した。
でも、やっぱり、何回読んでも「好き」て文字が目に映る。
勝利の方を向くと、机に肘をついて少しだけ俯いてた。
よく見ると顔が赤いような気もする。
これって、ホンマ、なん?
うちはその勝利のノートに書いていく。
うちの今の気持ちを。
『それは、ホンマなん?』
そのノートを勝利の方へ返す。
勝利がノートを横目で見て、小さく頷く。