あぁ・・・うちな
「・・・んなこと、嘘ついてどないすんねん。」
「っ・・・」
「・・・・っ!?な、なんで!?」
うちの目からこぼれた小さな滴が制服に落ちて染み込んでいく。
「なんで泣くねん。俺、そんなつもりやなかったんやけど・・・。遊び、やと思った?」
まさか、そんなこと思ってへんよ。
これは嬉し涙やって、気づいてや。
バカ・・・―――。
「ごめん・・・傷つけてもうて。」
うちは横に頭を振るけど、勝利は気づいてくれへん。
「でも、わかってほしい!」
急に勝利が声を張って話し始めた。
いやいや、ここ図書館やから!
また迷惑かけてまうやろ!?
「俺は、ずっと実奈子のこと気になってた。で、その気持ちが『好き』ってことなんやって気づいたんや。」
勝利は図書館やってことを無視して話し続ける。
段々と周りの人の目がこっちに向いてくる。
勝利、もうわかったから!
一旦ストップや!
外に出よう!
ジェスチャーで伝えてみるものの、うまく伝わらへん。
あぁ、もう!
めんどくさい!
「実奈子は俺のこと、どう思ってた・・・?」
その質問を聞いて、うちは動きを止めた。
もうあかんわ。
これは、うちが返事をするか、無理やり外に逃げるかせぇへんと。