あぁ・・・うちな
でも、多分ここで外に出てもうたら勝利が勘違いする。
ノートに書きたい!
でも、その肝心のノートが・・・今は勝利の手元に。
ノートこっちに貸して、って手でやってみても何も起こらへん。
だって、見てへんのやもん!
勝利くん、私のジェスチャーを見て!
必死なんですけど、こっちは!
「・・・実奈子?さっきからどないした?」
おぉ!やっとですか!?
その、ノートを、か、し、て!
「ん?」て言うて、勝利が見たもの。
そう、それです!
「あ、ごめん。ノートに書けって?」
ちゃう!
耳は聞こえてますから!
あ、でも、書いてもらえばうるさくならへんくてえぇやん!
うちは思いっきり縦に首を振って、書いて書いて、と催促する。
すると、あっさりと勝利がノートに文字を書き始める。
周りを見てみると、徐々にこちら側に向けられてた視線が減っていくのがわかった。
うちは勝利の代わりに頭を下げた。
まったく、この人は・・・。
その時、うちの目の前にノートが差し出された。
『で、実奈子は俺のことどう思ってた?好きか嫌いか教えてほしい。』
そこにはこれまたストレートに文字がつづられてた。
好きか嫌いかて、選択肢少ないな。