あぁ・・・うちな
でも、ここでウソを言うわけにいかへん。
勝利は真面目に聞いてくれてるし、言ってくれたんやから。
うちはシャーペンを握りしめて、ノートに返事を・・・いや、その前に。
『うちのどこがえぇの?』
と質問で返してみた。
「質問返しか。まぁえぇけど。・・・なんでやろな。なんか、好きになってもうた。」
勝利の口から出た言葉は、なんていうか・・・テキトウ?
『それって、ホンマにうちのこと好きなん?』
まさかの回答にうちは再度質問を重ねる。
「ごめん・・・。俺、人好きになったん初めてで・・・。なんて言うたらえぇんかわからへんねん。」
あれ?
これって・・・先生に似てるん?
「人付き合いもともと苦手で、荒れて、ヤンキーになって、やっと普通に戻ってみたけどやっぱりよくわからへんくて。」
勝利の言うてることの意味がイマイチわからへんうち。
「でも、この感情って言うん?今までにないねん。実奈子を見てたり一緒に話してると、楽しいし、嬉しいし、なんて言うか・・・幸せ?」
『幸せ?』
「そうやねん。幸せやねん。これって恋やろ?」
・・・そんなこと聞かんといてよ。
うちやって・・・。
「なぁ、実奈子。・・・俺と付き合って、くれへん?」
勝利がうちの方を向いて、真剣なまなざしで言うてくる。
うちはきっとこの言葉を待ってた。
いや、ホンマは望んでたけど諦めてたこと。
こんなことになるて、思うわけないやん。