あぁ・・・うちな
あれからすぐに図書館から出てきた。
ちょうどうちも帰らなあかん時間になったし。
で、帰ってるわけですけども。
・・・なんでしょう、この空間。
とてつもなくぎこちない空間がうちと勝利の間に広がってた。
そんな離れて歩かれると、余計気まずすぎるやろ。
うちと勝利の距離は約二メートル。
うちの後ろを勝利が着いてきてる感じ。
普通は逆なんちゃうんかな、と思う。
こんなとき、声がでたらすぐに言えるんやけどな。
『彼氏やったらもっと堂々として』てね。
そして、気がつけば家の前に来てた。
後ろを振り向くと、そこには勝利の姿。
でも、全然うちの方を見てくれへん。
まだ照れてます、っていうオーラが半端なくでてます。
うちやって、緊張してんのに。
勝利の方がメッチャ乙女チックやん。
仕方なくうちが勝利に近づいて肩を叩く。
「お、おう。着いた、な。」
うわぁ・・・これは相当な緊張。
見た目とのギャップありすぎやろ。
むしろ、うちの方が男勝り!?
『そんなに緊張せぇへんくってもえぇやん』