あぁ・・・うちな

そろそろ学校に行く準備でもしよう。


まだ、五時半になったばかりやけど、もうこの部屋にいたくないし。



ここにおったら色々と考えてまうから。




一階に降りるとまだ誰も起きてへんかった。


仕方なく自分でお茶づけを作って食べた。


寝グセを直して、制服を着て六時ちょうど。



『行ってきます』って書いた紙をリビングの机の上に置いて家を出た。


学校までの道は歩き。


片道三〇分もある道やけど、どうしても自転車には乗りたなかったから。



自転車とかバイクを見ると、虫唾がはしんねん。


うちは三年前の自分が大嫌いやから。



こうやって、毎朝この道を歩きながら空を眺める。


今日もメッチャえぇ天気やねん。


うちの心の中とは大違いや。



うちの心の中はいつでもくもり。


もしくは雨や。



三年前からずっとや。



学校へ行く途中、橋がある。


その橋は、昔幸太と一緒に下を眺めてた橋。


下にある川は、水がメッチャ透き通っててキレイなんや。



すっと見てたらその川にすいこまれそうになる。


幸太がおらんくなってからも何回かここへ来た。


何回も飛び込んでやろうと思った。


でも、できへんかった。


< 7 / 114 >

この作品をシェア

pagetop