あぁ・・・うちな
そろそろ学校に行く準備でもしよう。
まだ、五時半になったばかりやけど、もうこの部屋にいたくないし。
ここにおったら色々と考えてまうから。
一階に降りるとまだ誰も起きてへんかった。
仕方なく自分でお茶づけを作って食べた。
寝グセを直して、制服を着て六時ちょうど。
『行ってきます』って書いた紙をリビングの机の上に置いて家を出た。
学校までの道は歩き。
片道三〇分もある道やけど、どうしても自転車には乗りたなかったから。
自転車とかバイクを見ると、虫唾がはしんねん。
うちは三年前の自分が大嫌いやから。
こうやって、毎朝この道を歩きながら空を眺める。
今日もメッチャえぇ天気やねん。
うちの心の中とは大違いや。
うちの心の中はいつでもくもり。
もしくは雨や。
三年前からずっとや。
学校へ行く途中、橋がある。
その橋は、昔幸太と一緒に下を眺めてた橋。
下にある川は、水がメッチャ透き通っててキレイなんや。
すっと見てたらその川にすいこまれそうになる。
幸太がおらんくなってからも何回かここへ来た。
何回も飛び込んでやろうと思った。
でも、できへんかった。