あぁ・・・うちな
夜の道ではケータイの画面の光が目を刺激する。
いやぁ、眩しいこと眩しいこと。
「え、あ、別に、緊張とかしてへんし!」
『正直になれ』
「正直やろ。俺、ウソ、つかへん。」
『またまたぁ。うちも緊張してるんやし。』
「あ、ホンマに!?実奈子も緊張してるん!?」
『実奈子も?てやっぱり勝利も緊張してるんやろ?』
「あちゃぁ・・・」て顔に手を当てながら肩を落とす勝利。
ホンマに、この人はバカなんか天然なんかわからへん。
「なぁ、実奈子・・・」
突然声のトーンを落として話し始めた。
うちは首をかしげて話の続きを待つ。
「ホンマに、俺でえぇんか?」
何を聞いてくるんかと思えば、そんなこと。
て、勝利にとっては「そんなこと」やないんよね。
真剣に聞いてくれてるんやもんね。
『心配性?』
「は?」
『うちは、多分勝利がうちのことを好きになるよりも前から、勝利のこと好きやったんやで?』
きっとそうやと思う。
うちはきっと、ずっと前から勝利のことが好きやった。
勝利がうちのことを好きになってくれるよりも前からな。