あぁ・・・うちな

それやのに「ホンマに、俺でえぇんか」て聞く勝利。


さっきも言うたのに、ちゃんと信じてほしいわ。



「心配性、かもしれへん。けど、それだけ・・・」


ん?それだけ?







実奈子とのことが好きやねん・・・―――




一体うちはどれだけこの人に溺れていくんやろうか。


このままやったらうち、溺れて死んでまうな。


勝利は今まで付き合ったりとかっていうことをしたことがないって言うてたけど、なんでなんやろ。


こんなにも夢中にさせることができるのに。



女の子はみんなメロメロになるんとちゃうんかな。


「そんなに見んな!」


顔をプイッと背けてもうた勝利。



見んな、て言われて見ぃへん彼女がどこにおんねん。



顔を背けた方に、再度うちは覗き込む。


「見んなて!」


チラッ―――



「いや、せやから見んなてっ!」


どんどん顔が赤くなっていく勝利。

おちょくる甲斐がある。


「あぁっ!もう!実奈子!」


「っっ・・・」

おもしろいな、勝利。


と思ったのもつかの間で、次の瞬間には「あ、そうや」て勝利が話を始めた。


もう話すことないやろ。


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