あぁ・・・うちな

「たりめぇ。つか、俺ら帰るから。じゃぁな。」


「おい」



勝利がうちの手を掴んで帰ろうとしたとき、その声でうちは顔を上げた。



この時、顔を上げへんかったら、よかった―――



「実奈子さんよ」



「っ・・・」


「触ってんちゃうぞ!」


パンッ―――



うちが目を開けると、そこにはあいつが倒れてた。


「勝利、お前・・・。そいつの正体知ってんやろ。」


「っ逃げるが勝ちってやつやな。」



グッと手を引っ張られてうちと勝利は走り出した。



なんで、なんでバレたん。


あいつにはバレへんかったのに、なんで・・・幸太を殺した奴はうちのこと・・・っ。



「勝利ぃ!」


後ろから追いかけてくる。



あかん、このままやったらまた同じや!



うちは勝利の手を振り払った。


「っ!?実奈子」


うちは今来た道を走った。



「おい!バカ、実奈子!」





そして、うちはあいつらの元へ。


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