あぁ・・・うちな
昔からあんまり殴られることがなかったうちは、この味を初めて知った。
口内炎よりはるかに痛いな。
「おいおい、なんでなんもせぇへんの?死ぬで?」
カランッ
その音がした方を向く。
そこにあったんは、あれってあの時と同じか。
準備えぇな。
最初からここでやり合うつもりやったんやな。
勝利があんなんで殴られてたら、幸太と同じ道行ってたな。。
ホンマに、うちでよかった。
「マジで反撃なし?死にたいん?」
「・・・・・・」
「なぁ、なんでさっきから何も言わへんの?声でぇへんのですか?」
図星なくせにそれに気づいてないお前もバカやぞ。
て、そんなことも言うてやれへん。
悔しい・・・。
「実奈子、これで終わり?笑わせるわ。コレ、覚えてる?」
覚えてるも何も、それで幸太は死んだんやし。
忘れるわけない。
あいつの手に握られてたんは、あの時、幸太の頭を殴ったものと同じくらいの金属の棒。
死にたいか、死にたくないか。
そんなん決まってる。
けど、このままやったら、確実に殺られるな。