あぁ・・・うちな
うちの下敷きになってるそいつをよそ目に、声のした方を向く。
その人は今、うちの下で暴れてる奴の仲間をどんどん殴り倒していく。
「実奈子!やめぇ!」
「っしょ、うりか!」
頼む、こっちに来んといて。
勝利はこんなことに関わったらあかん!
うちは勝利に向いて睨みつけた。
「っ、何やその目は!」
うちはただ、勝利を睨むことしかできへんかった。
頼むから、そこからこっちには来んといて。
そんな思いで睨んでた。
「お前ら、ごちゃごちゃっ、うちの上で話てんちゃうぞ!」
ガサッ―――
しまったっ!
次の瞬間にはうちはそいつの下敷きに。
そして、そいつはうちに向かって拳をぶつけてくる。
何度も何度も。
「やめろ!てめぇっ!」
「あ゛ぁ゛!」
「っなんや」
なめんなよ、最強の女と言われてあの頃は生きてたんやぞ。
うちは一瞬の隙を見てそいつの下から抜け出す。
そして、そいつに向き直って殴りかかろうとしたとき、視界が揺れた。
いや、視界が真っ暗になった。