あぁ・・・うちな

「これは別に俺が勝手になったことやん。実奈子に関係ないやんか。」


『でも、もとはといえば』
「それ以上書かんでえぇわ。」



書かんくてえぇて言われても。


だって、ホンマのことやし・・・。



「・・・好きな女一人護れへん彼氏なんて必要ないやん。」



ボソッとつぶやかれた言葉。



顔を赤らめてそっぽを向く勝利。


勝利、うちはもうたくさん勝利に助けてもろたよ。


せやから今度はうちが護ろうて思ってたんやで?



でも、失敗してもうた・・・。



『・・・ごめんな。それから、ありがとう。』


「謝りながら礼言うなやっ。変なやぁつ。」



恥ずかしがって、笑って、また真面目な顔になる勝利。



「実奈子はけがは大丈夫やったか?」


『うん。勝利が護ってくれたから。』


「当たり前やろぉ。・・・怖い思いしたよな。ごめん。てか!」



今度は怒ってらっしゃいます?



「みぞおち一発うますぎやろ!?」



あぁ、そこはスルーしよ。



『勝利が死んでまうんやないかって、怖かった。』


「話逸らしたなっ。ったく。心配させてもうたな、ごめん。」



『うちこそ、ごめん』



お互いが謝る。

その病室がまた静まり返って、その後なんて言うたらえぇかわからへんくなった。


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