”さよなら”なんて言えなくて





締め切ったカーテン。
床に落ちた一冊の本。
布団に丸まってボーっと時間が過ぎるのを待つ信五。



ガラッ。




扉の開く音。
蒼とすばるが騒がしく入ってくる。


「こんなに天気がええのに何で閉めきってるん?」


カーテンと窓を開ける。




「信五。」




無言のまま天井を見つめる信五。


「何やねん。どうしたん?」


近くの椅子に腰をおろすすばる。










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