”さよなら”なんて言えなくて



蒼のいない病室。
チクタク。チクタク。
時を刻んでいく。
投げつけられたノート。
ベッドに座り残されたノートを開く信五。







1.毎日交代で想いを綴る。
2.素直な気持ちを記す。
3.約束は絶対。







1ページ目に赤ペンで大きく書かれた項目に苦笑いをこぼす信五。
2ページ目には蒼から信五への想いが大きな字で一言か書かれている。

   





『強くなるから。』







その文字に手をあてる信五。
目には涙を浮かべ。
  



「ごめん…。」

と弱々しく呟く。






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