”さよなら”なんて言えなくて
  





「普通寝るか。」


呆れた顔。
   

「やって待ちくたびれてん。」


照れ笑いをこぼす。
  

「見舞いに来て寝るってええ度胸してるわ。」


苦笑する信五。
   


「もう。」



ふくれっつらの顔。
見つめ合い笑う信五と蒼。
   



「やっと口利いてくれた。」


微笑む蒼。
  


「ごめん。僕も強くなるから。」



蒼を抱き寄せる。
信五に身を任せる蒼。
   



「うん。なぁ。チュウしてや。」


信五から身体を離すと上目遣いに信五を見つめる。 


「どうしようかな?」


悪戯に蒼を見る。
   


「何で焦らすん?」



怒ったように信五を睨む。
  

「しゃあないな。」


蒼を抱き寄せるとそっと唇を重ねる。
二人のシルエットが一つになる。




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