”さよなら”なんて言えなくて
沈みかける太陽。
オレンジ色に染まる街並み。
信五と蒼そしてすばるが肩を並べて歩く。
「信五。ちゃんと病院行けや。」
「病院って?信五また痛めたん?」
すばるの言葉に驚く蒼。
「ちゃうよ。最近、足の調子悪いねん。捻った覚えないねんけど。」
右足を見る信五。
「何で言わへんねん。」
心配そうに信五を見る蒼。
「大丈夫やって。」
笑顔で答える。
「酷なってからや遅いねんから明日にでも行けや。」
「わかってる。」
「これで逃げられひんやろう。」
ニヤリと笑うすばる。