可愛い男子と恋愛
「待って……大空っ…」
擦れていた所から、じんわりと血が滲んでいた
痛くて地面に座り込み大空を呼ぶけれど、周りの声や雑音で私の声は掻き消されてしまって、大空には聞こえていない
このままじゃ、はぐれちゃうっ…
私は痛みを堪えて立ち上がり、大空を追って歩いた
見失いそうになった時、少し先で大空が立ち止まっていた
よかった…
これで追いつける…
「大空っ、わた…し……」
大空に声をかけようとした私の言葉は途中で途切れた
だって…
「日向ー!身長伸びたー!?」
「うわーっ!さらにかっこよくなったねぇっ」
浴衣を着た複数の女の子達と、楽しそうに話していたから…
私がずっと見たかった、あの無邪気な笑顔を見せて……