可愛い男子と恋愛
ズキン、ズキンと胸が痛む
なんで…
私には、見せてくれないのに…
私と居るのが、そんなにつまらなかったの?
私、嫌われちゃったの?
私はその場を離れて、人気のない道に出た
その道の横に立つガードレールに、座り込むようにして寄りかかった
「うーっ…ぐす…」
涙が溢れて止まらなかった
大空に嫌われたんだっていう事実の苦しさが、私を埋め尽くした
浴衣を買って、髪止めも買って、目一杯オシャレして
今日こそは告白するんだって
それで、フラれても今日はいっぱい笑って楽しむんだって、決めてたのに
「ふぇっ……」
気持ちも伝えられないまま、この恋は終わってしまった
大好きな人に、大好きって言葉もいえないなんて…
また、笑って欲しかった
一度でいいから、もう一度菜子って呼んで欲しかった
零れた涙が、ポツポツと地面に模様を作る
もうすぐ花火上がるね
なんていう会話で盛り上がる女の子の声が聞こえた
もし…
もし、私が逃げた日にちゃんと告白していたら、今頃大空と二人で笑い合ってたのかな…?
しばらくして上がった花火は、涙で見えなかった