マザーリーフ
実家に愛菜を迎えにいってから、自宅に戻った。
もう7時近くになってしまった。
夕飯のことを考えてなかったので、実家の母に夕飯のおかずを少し分けてもらった。
愛菜はまだ夕飯を食べていなかったが、テレビアニメをつけてやると、釘付けになった。
あの女のことは忘れよう。
それより、もらったおかずだけでは足りない。
あと一品作ろうと冷蔵庫を開けた。
じゃがいもを取り出し時、呼び鈴がなり隆が帰ってきた。
住宅販売会社に勤務する隆の帰宅時刻は、定時にあがればこのくらい時間だった。
「パパ、おかえり」
愛菜が玄関に迎えに出た。
隆はリビングに入るなり、キッチンにいた桃子に
「ただいま。うちにライターなかった?」
と聞いてきた。
隆はタバコを吸う。
「知らない。何処か変なところに置いてきたんじゃないの。」
桃子は隆を見ずに答えた。
隆は無言で着替え、ランニングに短パン姿でテレビの前に胡座をかいて陣取った。
エアコンのリモコンを手に取り、勝手に室温を下げた。
そして、愛菜の見ていたテレビアニメをバラエティ番組に替えた。
「あーん」
愛菜が隆にすり寄ってイヤイヤをするが、隆は「いいの。」と言って愛菜を自分の膝に乗せた。
その姿を見た途端、桃子は猛烈な怒りが湧いてきた。
思わず包丁を放り出し、隆から愛菜をひったくるように抱き上げた。
「愛菜に触らないでよ!」
桃子は叫んだ。
「なんだよ…」
桃子の剣幕に隆は目を丸くしていた。
「あの女に呼び出されたんだからね!今日!」
隆の顔色が変わった。
「…ゆかり?」
「そうよ!隆と別れろって言われたわよ!結婚したいからって!何考えてるの!愛菜はどうするのよ!」
抑えていた言葉が悔し涙と共に次々に湧き出てきた。
桃子の荒れ様に愛菜が泣き出し、隆にすがる。
それを見て桃子は我に返った。
「愛菜が寝てから話そう。」
隆がいった。
愛菜は布団の中に入るとすぐに寝てしまった。
夫はあの女について、なんというだろうか。
億劫だが、話し合わなければならない。
添い寝をしていた桃子は仕方なく起き上がった。
もう7時近くになってしまった。
夕飯のことを考えてなかったので、実家の母に夕飯のおかずを少し分けてもらった。
愛菜はまだ夕飯を食べていなかったが、テレビアニメをつけてやると、釘付けになった。
あの女のことは忘れよう。
それより、もらったおかずだけでは足りない。
あと一品作ろうと冷蔵庫を開けた。
じゃがいもを取り出し時、呼び鈴がなり隆が帰ってきた。
住宅販売会社に勤務する隆の帰宅時刻は、定時にあがればこのくらい時間だった。
「パパ、おかえり」
愛菜が玄関に迎えに出た。
隆はリビングに入るなり、キッチンにいた桃子に
「ただいま。うちにライターなかった?」
と聞いてきた。
隆はタバコを吸う。
「知らない。何処か変なところに置いてきたんじゃないの。」
桃子は隆を見ずに答えた。
隆は無言で着替え、ランニングに短パン姿でテレビの前に胡座をかいて陣取った。
エアコンのリモコンを手に取り、勝手に室温を下げた。
そして、愛菜の見ていたテレビアニメをバラエティ番組に替えた。
「あーん」
愛菜が隆にすり寄ってイヤイヤをするが、隆は「いいの。」と言って愛菜を自分の膝に乗せた。
その姿を見た途端、桃子は猛烈な怒りが湧いてきた。
思わず包丁を放り出し、隆から愛菜をひったくるように抱き上げた。
「愛菜に触らないでよ!」
桃子は叫んだ。
「なんだよ…」
桃子の剣幕に隆は目を丸くしていた。
「あの女に呼び出されたんだからね!今日!」
隆の顔色が変わった。
「…ゆかり?」
「そうよ!隆と別れろって言われたわよ!結婚したいからって!何考えてるの!愛菜はどうするのよ!」
抑えていた言葉が悔し涙と共に次々に湧き出てきた。
桃子の荒れ様に愛菜が泣き出し、隆にすがる。
それを見て桃子は我に返った。
「愛菜が寝てから話そう。」
隆がいった。
愛菜は布団の中に入るとすぐに寝てしまった。
夫はあの女について、なんというだろうか。
億劫だが、話し合わなければならない。
添い寝をしていた桃子は仕方なく起き上がった。