with
春輝with晶
俺、春輝はギターが好きだ。
ただ、軽音部には入らなかった。
顧問なんていらない。
自分をちゃんと認めてくれるやつと
俺らだけの、最高の曲を
作っていきたくて。
・・・まだ俺1人だけだけど。
教室を通り過ぎようとした。
そこにはあの、転校生が居た。
そして聴こえた。
優しい、透き通った歌声。
<綺麗、だ。>
「・・・誰?」
転校生がこちらに気づく。
「同じクラスの・・・春輝。」
恥ずかしかったのか、
床にへたり込んでしまった。
「君の・・・」
「え?」
「晶くんの歌声、好きだわ。
君、部活入るの?」
「いや、特には」
「歌は好き?プロとか
目指したいとか思ってる?」
「うん!!!」
決まり。
俺は晶と、曲を作ってみたい。
晶がよければだけど。
「俺と、バンド?組まねぇ?!
軽音部とかじゃなく本気で!!!」
ちょっと考えてもらって、
答えをもらう。
「やってみたい!!」
これが、最初の始まり。