with
純with春輝
晶くんと昼食を食べる。
これが最近の日課。
「春輝くんて
[ZYUN]って知ってる?」
「なにそれ?」
ウォークマンを貸してもらう。
キーボードの綺麗な音が流れる。
<うわっ、すっげえ!!>
最近の俺はこう思いやすく
なってしまったんだろうか。
いや、これは確かに、
うまい。
そこから晶くんに
いくつか情報を教えてもらった。
「あと・・・」
「?」
「何か、同じクラスの純くんが
なんて言えばいいのかな、」
とにかく
俺はこれくらいしか知らないんだと
晶くんが言う。
最後が気になるけど。
「純とZYUN・・・
名前が一緒なだけじゃないの?」
音楽室に忘れ物をした晶くんに
ついていく。
ついでに曲の練習も。
「いや、最初はそう思ったけど」
♪♪~♪~~♪♪♪~~~♪~
「「え・・・」」
キーボードの音。
間違いなくその音と手は、
ZYUNだった。
泣いてる・・・?
「純くん?どうしたの・・・?」
心配そうに晶くんが見つめる。
「!・・あは、さっそく見られたね」
「ZYUNなんだよね・・・?
どうして、泣いて・・・。」
そこからすこし間があって、
こう呟かれた。
「・・・ごめんね」
その言葉は何を指しているんだろう。