WALL
取り返しようのない『罪』……それに苦しんだ俺は……



決して、同じことを繰り返さないように……



自分の中に『壁』をつくっていた。



想いを告げなければ『罪』にはならない……。



しかし、二年前に……



俺は告げてしまった。



ならば……いっそ……



『好き』という感情……それ自体が生まれることのないように……と、



その強い戒めが……いつしか俺の中に頑強な『壁』を造り上げた。





男(ヒト)は女(ヒト)の何処に惹かれる……?



容姿……?



性格……?



微かな仕草……?



だが、今の俺は……絶対に女(ヒト)を好きにはならない……!



高い『壁』が、それを阻むから……



『罪』より生まれし……哀しい『壁』……





それ故に俺が孤独になろうとも…………。





それは、俺が決めたこと……。





『壁』をつくったのは……俺なのだから……。
< 2 / 13 >

この作品をシェア

pagetop