Endless One-sided Love

待

「待っているだけだなんて


受け身じゃいけないって分かっているのに」





期待


帰り際､昇降口で偶然会いたくて


わざとゆっくり靴を履き替えて


靴と格闘しているような顔をしてあなたを待っている


期待


帰りに昇降口で会えるかもしれないからといつも制服の下に


白のワンピとか可愛いアウターとか精一杯のお洒落をしている


期待


「髪にゴミが付いてるよ」って言葉で教えてくれるだけで済んだのに


髪に付いたゴミを取ってくれた時


「事務室に行けば絆創膏もらえるから」って言葉で教えてくれるだけで済んだのに


指を怪我した時に自前の絆創膏を取り出してわざわざ貼ってくれた時


私にごく自然に触れられると舞い上がってしまう


期待


休日に職場のある町に行った時､もしかしたらあなたがいるんじゃないかと


ショッピングセンターに集う人混みの中を探してしまう


そうやっていつも期待しながら偶然を待っている


自分から歩み寄る勇気がないがために