オレは妹に恋をする
龍の態度に、

少し怒った表情の恭兄。

「小百美はオレが連れて帰る。

君に小百美は渡さない」

・・・

何、言ってるの?

あの手紙、読んだんじゃないの?

切ない目で恭兄を見つめる。


「小百美はオレの大事な彼女です。

あなたは、小百美の兄さんでしょう?」


龍は冷静にそう告げた。


「だから、何だって言うんだ?」

・・・

今にもケンカが始まりそうだった。

周りにいた生徒たちも、

何事かとこっちをジロジロ見ている。


『お兄ちゃん』

私の言葉に、

恭兄の目が見開いた。


「私、これから龍と行くから、

帰ったら話をしよう?」
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