Beyond Your Imagination
帰り道、真田先輩はずっと私を元気付けようと明るい話をしてくれた。
勿論、作り笑いなんて出なかった。
でも頭を過るのは負の気持ち。
ナオシ「それでさー!
えーっと…」
アキ「センパイ」
だんだん無理して話す先輩。
嬉しいけど、申し訳ない。
アキ「…センパイはノセスって知ってましたか?」
ナオシ「ノセス?
うん、ギターは中学からずっと好きだったし…」
nosaesは、凄いバンド。
それだけは痛いくらいに分かった。
ナオシ「正直、この学校に入ったと聞いた時は驚いたよ
ま、でも彼らは彼らだし、俺は俺だからな…なんてな(笑)」
アキ「センパイ…」
…私は私…。
ナオシ「とか言ってもそりゃあ悩むな〜
でも俺は実力じゃなくて
最高の仲間と最高の音楽を作りたいから…
あいつらがどれだけ凄くても、なんだって良い」
横をチラリと見ると、そこには真田先輩の涼しげな笑顔があった。
それは私にとってはとても眩しくて。
心を明るい光で照らされた気がした。