Beyond Your Imagination
…帰り道。
久しぶりなせいもあって、少しぎこちなく話をしていた。
先に専攻の話題を出したのは、先輩。
ナオシ「アキちゃんさ
ボード、楽しい?」
突然の質問に私は拍子抜けした。
そういえば…私にとってキーボードってなんだろう。
アキ「…
楽しい…です」
ナオシ「本当に?」
真田先輩は私の心を見透かすように問い返す。
…違う。
アキ「…楽しいのは、本当です
でも…歌ってないと落ち着かなくて…」
消え入るような声で答えた。
私は歌いたくて。
でもそれはもうどうにも出来なくて。
何もかも中途半端なのがもどかしくて。
ナオシ「…そっか^^」
そんな私の心とは正反対に、先輩はどこか満足げな表情をしていた。