Beyond Your Imagination
アキ「…」
トイレから出て大講堂に戻る途中、有里くんを見かけた…というかすれ違ったのだが
彼が私に気が付かないのも当たり前だろう。
バタン。
大講堂のステージ裏に入り、私の姿を見た人は口々に。
「え…鎖部さん…!?」
「ヤダ、凄い…
大人っぽくなったね…」
そう。
私はトイレで琥晴先輩に髪型とメイクを(半強制的に)セットしてもらったのだ。
格好は黒のドレスワンピに巻かれたサイドポニーテール。
少しだけロックとは離れた見た目になってしまったが。
アキ「変…ですか?」
「ううん!全然!」
琥晴先輩は器用だな。
ナオシ「アキ…ちゃん?」
アキ「はい」
呼ばれて振り返ると
黒のスーツを着た真田先輩が少し驚いた顔で私を見ていた。
ナオシ「…//
…似合ってるね」
アキ「!」
少し照れながら言った先輩の言葉に
私の胸はドクンと高鳴る。
アキ「あ、ありがとうございます…//」
顔に熱が集まるのは…
もしかして…。