あくまとメイド!
「あ、待って・・・」

士狼の後を追おうとすると、
すっと更紗さんに腕を引かれた。

「な、何ですか?」

聞くけど
更紗さんは
何も言わずに私をじっと見る。

「更紗。
 どうしたの?」

「甘いにおい」

また言われた。

「においって
 何にもつけてないんですけど」

お菓子だって持ってないし。
どういうことなんだろう。

「あなたを狙ってるモノがいる」

「狙ってる・・・?」

眉をひそめる私に
更紗さんはなおも続けた。

「士狼様も何か隠してるみたい」

何となく私が感じたことを
更紗さんは肯定する。

何も答えられない私に

「気をつけて」

そう言って
更紗さんは去っていった。
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