指先から媚薬【恋瞬バトン】
――あ~~あ。
どっかにいい指したオトコ、転がってないかなぁ~。
ハァ~とため息を吐きながらオフィス廊下の曲がり角を曲がると
「きゃっ!!」
「う、わっ!!」
不運にも出会い頭にゴッツンと衝突してしまった。
ぶつかった拍子にバラバラと床に広がってしまった会議資料
――まったく。今日はついてないわ。
イライラしながら資料を集めていると
「悪い。急いでたからよく前見てなくて……。」
衝突した相手は申し訳なさそうに、私に資料の一部を手渡す。
イライラしているのに、日々のクセが抜けない私が、衝突した相手の手を盗み見ると
――ヤバッ!超~好み!!