指先から媚薬【恋瞬バトン】
スラリと伸びた長い指
ゴツゴツした関節に
形のいい爪
それに……
ちゃんと爪の処理もしてある。
黒くなったり、
爪が伸びすぎたりもしていない。
――マズイ……!!
ドキドキしながら顔を上げると
「悪い。資料はこれで全部だと思うけど…
ケガとかはしてねぇか??」
私の目の前に現れたのは
茶色い短髪の
筋肉質な
最高にセクシーなオスだった。
――うぎゃぁぁ~!!
脳内で発狂しながら、私は
「だ、大丈夫。
ありがとう。」
精一杯の笑顔を向ける。
すると彼はフッと笑って
「そりゃー、よかった。
出会い頭は危ねぇからな。
お互い気をつけよーぜ。」
後ろ手でバイバイをしながら
爽やかに去って行った。