君の夢の果てであっても、僕は君を支えに行こう
「そのまま、沈んだ方がよかったですか」
俺を見下ろして、奴は、憎たらしいほど明るく笑った。
今回もまた。
繋ぎとめるのは奴だった。
「そうだな、その方が楽だった」
「でもそんなの許しませんよ、僕の手が届かなくなってしまいますから」
「ほざけ、そんなこと言っていつ俺を刺す気だよ、その前に死ぬぞ」
「だから手元に置いておきます」
「ありがた迷惑」
奴は少し無表情をして、そしてまたニッコリ笑って手を引いた。
「お兄ちゃんですから」
「誰が」
そして気が付けば、闇は燃え、跡かたもなくなって白は俺以外に染みを無くした。
いつも見る夢だった。