君の夢の果てであっても、僕は君を支えに行こう



「そのまま、沈んだ方がよかったですか」





俺を見下ろして、奴は、憎たらしいほど明るく笑った。



今回もまた。



繋ぎとめるのは奴だった。






「そうだな、その方が楽だった」



「でもそんなの許しませんよ、僕の手が届かなくなってしまいますから」



「ほざけ、そんなこと言っていつ俺を刺す気だよ、その前に死ぬぞ」



「だから手元に置いておきます」



「ありがた迷惑」





奴は少し無表情をして、そしてまたニッコリ笑って手を引いた。





「お兄ちゃんですから」



「誰が」







そして気が付けば、闇は燃え、跡かたもなくなって白は俺以外に染みを無くした。




いつも見る夢だった。






< 10 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop