君の夢の果てであっても、僕は君を支えに行こう



仲良く喧嘩を始めたこの上司二人が落ち着いたとみなし、レインはワゴンに乗っけてきたティーセットにモーニングティーを淹れ始めた。



彼女が主お気に入りのダージリンである。




「あれれ、れーちゃんこの前自作のブレンドティー飲ませてくれたのに、今日は違うんですか」



「ああ、あれは…」



彼女はちらりとジンに視線を流し、いつもながらの薄い反応を確かめた。




「香りが強すぎるのと、それから味が濃すぎるので作り直しています、分量を」



あれは確実に、主の口に入れるには粗末だろうと判断してジンには飲ませていなかったのだ。


アルファや、以下同僚たちには毒見のつもりで出し、現にそのうちの一人から指摘された。




「興味があるな」



「……へ?」




ジンは実に真剣な顔つきで言って見せた。



言葉たらずなものの、興味がある→飲んでみたい→持ってこいという式はあっという間に完成した。




「ただいま用意します」



レインは盆とナイフをワゴンに投げ出して、一目散にジンの寝室から飛び出して行った。





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