君の夢の果てであっても、僕は君を支えに行こう
「ごめんなさい、あのまま放っておいた方が良かったですか」
皮肉をこめて問いかけると、怒っているのか、カーテンが勢いよく開いた。
着替えを終えた彼は、いつもの通り引き込まれそうな全身黒一色だ。
「喧嘩を売っているなら言い値で買い取ろう、俺は『もっと早く助けにこい』といっている」
「…………へあ?」
え、『もっと早く助けにこい』だと…!?
つまり助けに来てくれってこと?
なんですか、これはもしや。
「ジンくんデレ期再来!」
「そこは突っ込むところではないだろうが」
気合を入れた宣言は、空しく彼のとび蹴りに粉砕されてしまった。
ツン期なう、である。