君の夢の果てであっても、僕は君を支えに行こう
吹っ飛んだアルファを、さらに飽き足らず襟首掴んで揺さぶりまくる。
真面目に言っていることをはぐらかされれば、大人ぶりたい年頃といえど沸点に近くなる。
「おーまーえーはぁぁぁぁぁあぁぁ…本気でその金髪毟りくさってやろうか、ついでに縄で縛って火あぶりにして家畜の餌にでもしてやろうかぁぁぁぁあ」
「あっ、照れてる、照れてるねジンくん!」
「本当にふざけるのやめようか、泣きたくなる」
「だから慰めてあげたでしょう」
「は?」
ジンは目を丸くして手を止めた。
アルファが静かに添えた、その紅い両眼の下には確かに跡が残っている。
「怖かったねえ」
「…………」
片方の手が優しく黒髪を撫でた。
その仕草も表情も、まるで本物の兄弟そのもの。
彼は決して認めないけれど、『こういう』安心感をひたすらに求めているものだから、ついつい与えたくなる兄心という奴であり。
「馬鹿にしてるか」
「してませんよ」