知的障害者の恋 【超短編】
この日から美和は家の中に監禁状態になった。


「家のお手伝いを一生懸命しなさい。


 美和は居るだけでいいんだからね。


 もう、学校なんて行かなくていい。」


お婆ちゃんにそう言われ、美和は毎日家事を頑張った。


足が悪かったお婆ちゃんの面倒も見た。



だが、美和の顔には笑顔が消えていた。


いつまでも笑顔が戻ってこなかった。


時折、陰に隠れて眺める2人で写ったプリクラ―


美和の目からは涙が零れ落ちていた…


「ゆう君に会いたいよぉ~…」


美和の純粋な思いが痛いほど身に染みた。


だが、相手は仕事もしていないプー太郎。


美和一人が働いてやっていけるほど、世の中は甘くない…。


「せめて相手の男が真面目な人だったら、良かったんだけどねぇ~…。」


いつしかお婆ちゃんの口からも、哀れむ声が聞けてきた。
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