知的障害者の恋 【超短編】

私達はこんな美和の姿を見て、今後の美和の育て方について話し合った。


美和を自分の意思のまま行動させておくと、学校も行かずいつの間にか、子供が出来てしまうだろう…、と言う事になった。


私達は、美和が辛い思いをするのを覚悟の上で男の下から離すか、美和の子宮を取ってしまうか本気で悩んだ。


子宮を取る―


親や親戚中に、とばっちりが来るのが嫌だと言うのは、言葉がなくとも伝わってきた。


2つしか年が変わらない私は、必死に反発した。


美和が大人になって、本気で好きな人が出来て、なんとか生活できるようになって、いざ子供が欲しいと思ったとき、自分は子供が作れない体にされていると言う事を知ったら…


それも、周囲の勝手な判断で…


私は必死に、抵抗した―


私の思いが伝わってか、みんなは納得してくれ、手術は免れた。


美和は結局、車で2時間の市外の園でお世話になる事になった。


今も尚、そこにいる―


仕事を学びながら、働く場所らしい。


朝は6時に起こされ、夜は20時に就寝―


規則正しい生活で、夜出歩くことは出来ない為、半分は園に監視されているようなものであろう。


世間知らずで、人懐っこい美和は誰にでも付いて行こうとする性格の為、これくらいの環境が適しているのかもしれない―

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