知的障害者の恋 【超短編】
「麻衣!美和ちゃんが昨日から帰ってこないんだって!もっと早く知らせてくれたら良かったのに!!ちょっと、お母さん達そこら辺探して来るから、お留守番お願いね!もしうちに美和ちゃんから電話かかってきたら、居場所聞いといて!」


そう言って、母は足早に家を出て行った。


美和…。どうしたんだろう…。


私のせい…?だよね…。


あの時、私に何か言いたげだった―


私がきちんと向き合って話を聞いてあげてたら、こんなことにはならなかったのかも…。


私は罪悪感を感じずにはいられなかった…。


その日の夜、母は遅くに帰ってきた。


「居た?」


「うぅん…。」


母は肩を落とし、ソファーに座った。


「麻衣なら分かるけど、美和ちゃんが家出…?しないわよねぇ~。事件に巻き込まれたとしか思えないでしょー。殺されてなかったらいいけど…。」


「ちょっとぉ~!そのマイナス思考やめてよぉ~!!で…?どぉするの?」


「昨日の夜、携帯にかけたら繋がったらしいんだけど、その後から電源切られてて繋がらないらしいの…。探しようがないから、警察に捜索願い出して来た…。もうっ!!なんでこんな事になるのぉ~!!!」


母は頭を混乱させながら言った。
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