空からのメッセージ〜最愛のキミへ〜
「おい、翔! そんなことしてると手、痛める…」
俺を止めたのは、従兄である雪斗だった。
「…知るかよ! 雪斗には俺の気持ちなんて分からないだろ!」
バカだな。
雪斗にそんなこと言っても困らせるだけなのに。
「確かに…俺は翔じゃないから気持ちなんて分からない。 無理に慰めようとも思わない。だけど、そんなことしてたって病気は直らないだろ?」
「…知ってる。 そんなの、とっくに。 八つ当たりしたりしてごめん…」
雪斗は生まれつき心臓が悪い。
長生きは出来ないだろうと医者にも言われていて、幼い頃はよく入退院を繰り返していた。
最近は少しマシになったらしいけど、心臓が悪いのに変わりはない。
「悪いな、気のきいた言葉をかけられなくて…」
「いや、いい。 変な気を使われる方が嫌だし」
俺達は元々体の弱い家系らしく、健康な人は少ない。
だからいつかこうなってもおかしくはないと思っていた。