空からのメッセージ〜最愛のキミへ〜
誕生日と水族館
「翔くん!」
「えっ、希美先輩!? どうして…」
「遅いから迎えに来ちゃった」
私は雨宮くんから翔くんに…呼び方は変わっていた。
『名字より名前で呼んで欲しいです』って翔くんに言われたから。
だけど、まだちょっと慣れない。
普段は翔くんが私の教室へ迎えに来てくれるけど、今日は珍しく私を迎えに来るのが遅かったので、私から翔くんの教室へと迎えに来た。
翔くんは手に何かを持っていたけど、私が来ると慌ててその何かを隠した。
「今、何か隠したよね?」
「えっ!? いや、えっと…な、なんでもないですよ!」
「本当にぃ?」
私が少し疑ったように言うと翔くんは「希美先輩には敵いませんね…」と、さっき隠した何かを見せてくれた。
「これ……!」
それは2枚の水族館のチケットとパンフレットだった。
「希美先輩の誕生日、来週だから…
内緒で用意してびっくりさせようとしたのに…あっさりバレちゃいましたね」
「覚えてくれてたんだ…」
「それは…希美先輩の誕生日ですから、忘れるはずがないです」
「私、水族館大好きなんだ! ありがとう、すごく嬉しい」
「希美先輩に喜んでもらえて良かったです!」
私の誕生日まであと1週間。
楽しみだなぁ♪