気合いの華
「でもなんで初日だったんだろうね?」

「アイツの勝手な発想じゃん?」

「キックよりも喧嘩が大事って言いたいんだったら決勝まで待てば良かったのに…」

「あ、もしかしてミッキーかカズキのどっちかが負けるって思ったんじゃねぇの?」

「か、カズキくんは強いから負けないよね?」

「そいえばミッキーの試合撮ってくれた?」

「うん、撮ったけど…」

あ、ちゃんと撮ってくれてたんだ♪

「じゃ、じゃあ見よ?」

中川さんは仕方なくって感じで再生し始めた。

「やっぱり刺青入ってたの、見間違いじゃなかったんだね…」

「まぁあれはゲームのキャラ意識してるんだよ?」

「なんだそれ?バッカで~♪」

「ミッキーに怒られるよ?あ、こっから俺聞いてなかったからわかんないや!」

「喧嘩しに行ったってんだろ?」

「うるさいなぁ…」

『それではレディ…』

へ?左のグラブは重ねてあるけど、この時点で右手が殴る準備しちゃってるよ…これじゃ軌道がバレバレじゃん?

カーーーーーン!

そのまま右手を振り抜いた。
もちろん顔に来るのを読んでた相手は顔をガードする…

「へ?」

上から振り抜いた右の拳は顔ではなくグラブのしたの腕に伸びていき、当たる前にスクリューを加えてガードの両腕をすり抜けていった。


バァンッ!!

ドザッ!…


カンカンカンカンカン!
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