気合いの華

ツッパリの姉御

あれから1週間があっという間に過ぎて部活が本格的になり始め、片岡先輩と隼人先輩は力を入れている。

「あぁ、腕かいぃ!」

ルイが左腕を擦る。

「それよか田渕先輩が心配だね…」

「あ?俺の方が重傷だろうが?」

そうなんだけど…
田渕先輩はミッキーに対して恐怖が募ったらしく、みんなとも口を聞かなくなってしまった。

「なのにみんなは特に田渕先輩については会話に出してないし…」

「だいたい存在感薄いからじゃねぇの?」

「違うよ!多分…」

でも思えば1番ヤンキーっぽくないし、どちらかと言うと媚を売ってる所ばかり眼につくなぁ…

「なぁ、なんであんなひ弱そうなのが俺らと居んのかねぇ?」

「ルイは人の事言えないでしょ?」

俺はルイの左腕を見て言った。

「ばっ!これは松戸くんがちょっと人並み外れてたからだって!」

「でも田渕先輩が不登校なんて…」

「俺の話しシカトすんなよ?」

「でもみんなもみんなだよね?」

「きっとなんかあったんじゃねぇの?」

「なんかって?」

「知らねぇって?」

俺はルイと特にやる事もないけど、雨が降ってる今日に屋上に行く訳にも行かず、教室に行く気分にもなれず、校舎内をウロウロしていた。
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