気合いの華
「人違いかもね♪」

矢部さんはそうかなぁ、って言いながら腕を組んで首を傾げていた。




「ルイ、これからどうする?」

給食を食べ終えた俺達は、行く宛もなくさ迷っていた。

「俺気分乗らねぇから帰るわ!」

「マジで!?」

ルイは結局本当に帰ってしまった。

俺は仕方なく、ぶらぶらとしていたが、暇過ぎるからキックでもやりに帰ろうかと下駄箱まで来ていた。

「あ!」
「あ!」

俺はその時、さっきルイと口論していた女子にあった。

「な、なんだよ?」

相手は少しビックリしてる所を隠すかの様に俺に言ってきた。
相手は1人…ミッキーの事を聞く良いチャンスかも知れない。

「ねぇ、ちょっと話し聞かせて欲しいんだけどさ?」

「ウチに?」

「うん、俺はカズキ。よろしくね?」

「は?う、ウチは裕美だから…」

「裕美さん、江夏さんって人の事聞きたいんだけどさ?」

「ばっ!なんで川畑の仲間なんかに江夏さんの事話さないといけない訳?」

「まぁ、嫌なら良いけどさ…」

俺はそう言って、諦めて下駄箱にある自分の靴を取った。

「ま、待ちなよ!何が聞きたいかだけ聞かせてよ?」

「ミッキーと昔何があったのか…」

うん、それ聞ければじゅうぶんだろうとは思ったけど、もう諦めるよ。
無理やり言わせるとか、したくないし…
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